レンタルサーバーとは、月額また年額の料金を払って、主にWEBサイトを開設・運用するためのWEBサーバーを1台または1部の容量を借りることです。つまり、賃貸アパートの部屋みたいなもの。WEBサイトでネットで副業するには必要不可欠な知識ですね。
そんなレンタルサーバーサービスはネット上に星の数ほど存在し、日々進歩を続け、新しいサービスも生まれています。
今(2017年8月時点)で新しく借りようとお考えの方へ、現時点でのレンタルサーバーの失敗しない選び方をご紹介しましょう。
レンタルサーバーを借りて失敗したと感じること
まず、適当に借りたとき「失敗した!」と思いがちなレンタルサーバーあるあるネタを紹介しつつ、それがなぜかを説明いたします。
- 表示が遅い(FTPでのアップロード・ダウンロードも遅い・止まった)
- 思い通りのURLを指定できない
- WEBサイトが予告なく停止された
- サーバー管理画面が使いにくい
他にもあるかと思いますが、よくあるこれらについて簡単に解説します。
表示が遅い(FTPでのアップロード・ダウンロードも遅い・止まった)理由
表示が遅い、アップロード・ダウンロードが遅い理由は、単純にレンタルサーバーのスペックが低い場合があります。表示速度は、SEOにも大きく関係します。とくに重要な点は2つです。
1つ目はディスクが、HDDかSSDかです。読み込み、書き込み共にSSDの速さは圧倒的であり、多少容量が減ってもSSDが選べるのであればSSDの方が良いでしょう。
2つ目は共用サーバーで他の複数人が同時に接続している場合です。これは、共用サーバーではありがちですが、アパートで例えるとトイレや風呂が共同で、前の人を待つ必要があるからです。共用サーバーの明確な定義がそれを意味するわけではありませんが、この場合が多いです。解決策としては、各部屋にトイレ・風呂を設置するのと同様に、仮想のCPUやメモリを割り当てられている必要があります。
多少状況は違いますが、FTPでの接続が止まってしまうケースも上記と同様に、複数人が利用する共用サーバーで起こります。待っている人がいるのに1人が何時間もトイレに籠られたら困りますよね?そうならないよう、共用サーバーは制限を設けている場合があるのです(=通信量制限)。ですがこれもできればない方がいいですね。
思い通りのURLを指定できない理由
URL設計はSEOにもユーザーに使いやすいWEBサイトを作るうえでも非常に重要です。URLの指定ができないとその点不便に感じるでしょう。
よくあるのは、ワードプレスの「パーマリンク」設定が機能しないというケースです。これはURLのリライト(書き換え)機能がサーバー自体にインストールされていないことが原因です。
最近はレンタルサーバーでも多くがインストールされているようですが、ワードプレスを使いたい人は特に注意すべきところでしょう。
WEBサイトが予告なく停止された理由
ワードプレスや簡易的なプログラムを実行しているサイトでは、稀にシステムをハッキングされ、レンタルサーバーをあなたの名義で悪用される場合があります。
あなた自身のWEBサイトには害はなくても、悪用によって被害にあった人が苦情をつけるのはレンタルサーバー側になります。
レンタルサーバー側は問題のあるプログラムファイル(PHPやCGI)を停止させます。すると、あなたのサイトが表示されなくなるという流れです。
解決策としては、セキュリティがしっかりしているレンタルサーバーを選びましょう。詳細は後術します。
サーバー管理画面が使いにくい理由
これに関しては、レンタルサーバー運用側に開発能力・資金があまりないというのが結論になってしまいますね。
借りてみないとわからない部分ですが、無料の使用期間があるレンタルサーバーなら、その使用期間におおよそわかるでしょう。
以上の4点を頭に入れた上で、次はあなたのWEBサイトをどのようにしたいかを考える必要があります。
レンタルサーバーを借りる前に決めておくこと
レンタルサーバーを借りる場合、ほとんどは共用サーバーで事足ります。ただし、共用サーバーはサーバーの仕様変更は基本的にできません。
共用サーバー以外にVPSサーバーやクラウドサーバーのようなサービスもありますが、こちらはサーバーの知識に精通していない限りセキュリティ的にも学習コスト的にも高くつきます。
したがって仕様変更できないデメリットはあるものの、普通は共用サーバーで問題ないと考え、以後は共用サーバーをレンタルする前提でお話します。
レンタルサーバーでワードプレスを使うか
運用のしやすさ、SEO対策、インストールの速さなどあらゆる面でワードプレスを使わないメリットが薄れてきています。
特に理由がなければ、ワードプレスを前提条件に、ワードプレスが速く動くレンタルサーバーを探すほうが無難でしょう。
膨大なアクセスを集めるWEBサイト(メインサイト)か
1日数千~万のアクセスがあるWEBサイト、またはそういった集客が見込めそうだと判断した場合は、そのアクセスに耐えられるレンタルサーバーが必要です。
かといって、最初からハイスペックである必要性もないので、可能であればスケールアップ(プランアップ)がスムーズにできる拡張性のあるレンタルサーバーを選ぶのが好ましいでしょう。
特殊なプログラムや独自システムを動かすか
予定も含めて考えましょう。PHP画像編集機能が欲しかったのにモジュールがない!など、やりたいことができないのはレンタルサーバーではよくある話です。
ただ、この部分は実装も含めて本当に必要かどうか見極め、共用サーバーではなるべく特殊なことは避けるべきです(他のユーザーにも迷惑がかかる場合があるため)。
もし、どうしても作りたい場合は、共用サーバーかどうかも含めて検討が必要になるかと思います。ムズカシイ話になりそうなので、いずれ別の記事で解説いたします。
メインサイトに向いているレンタルサーバーの条件
ここではメインサイトを構築するのに必要なレンタルサーバー(共用サーバー)を条件を、個人的な見解ですが考えてみました。
なお、WEBサイトを作る場合まずはメインサイトから作るかと思います。メインサイト以外にサテライトサイトというものもありますが、ここでは前提としません。
速い表示速度(SSD、PHP7、FastCGIなど)
表示速度はワードプレスやシステム処理はもちろん、単純な画像のロードやFTP接続制限も含め重要です。
無料SSLが手っ取り早く導入可能
独自SSLが有料で提供されている場合は多くあります。しかし最近はSSL必須な時代になり、無料SSLを1時間ちょいで導入できるレンタルサーバーも増えてきました。
SEO的にもSSLが導入されたWEBサイトはGoogleから高く評価される傾向にあります。また無料SSLは年間の更新手数料も無料で自動のところもあり、更新し忘れることも少なくなるメリットが期待できますね。
月額が手頃で初期費用も低め
レンタルサーバーを借りるコストは毎月かかります。もちろん安い方がいいでしょう。運用するサイト数や規模と相談して考える必要があります。
わかりやすいサーバー管理パネル
レンタルサーバーは速くてもサーバー管理パネルがださくて重い場合があります。あなたのWEBサイトを訪問するユーザーには関係ありませんが、困ったときにわかりにくいサーバー管理パネルは困りものです。
わかりやすいサーバー管理パネルを提供しているレンタルサーバーサービスを利用するようにした方がいいでしょう。
実績・トラブルの少なさ
ポジティブな意味での実績はレンタルサーバー会社が大々的に謳っています。鵜呑みにせず参考程度に理解し、問題は過去に起こしたトラブルです。これは調べないとわかりません。
無料期間にそれがわかるかと言っても、数週間では参考になりません。こればかりは実際に借りたとき、そしてトラブルに遭遇した時のレンタルサーバー会社の対応を見ないと何とも言えません。
おすすめのレンタルサーバーベスト5
以下で紹介するレンタルサーバーは実際に私が借りて良いと思った順です(つまり主観です!)。
ついでに私がで実際にあったトラブルを簡単に紹介しておきますので参考にしてください。
エックスサーバー
コスパ | ◎ | セキュリティ | ◎ |
速度 | ◎ | バックアップ | ◎ |
無料SSL | ◎ | 管理パネル | 〇 |
2017年8月現在で、おそらくさまざまケースにおいて最良のサーバーです。
初期費用が3000円かかってしまうのが唯一のネックですが、その後年間契約をすれば、1000円/月で利用できます。
この金額でこの表示速度を考えると他を圧倒します。
スターサーバー
コスパ | ◎ | セキュリティ | ◎ |
速度 | ◎ | バックアップ | △ |
無料SSL | ◎ | 管理パネル | 〇 |
最近リリースされたレンタルサーバーで、エックスサーバーに非常によく似た管理パネルでした。
エックスサーバーより安価に運用でき、エックスサーバーより小規模でコストも抑えたい方向きです。
250円/月でワードプレスを運用でき、スケールアップできるのも魅力ですね。
ヘテムル
コスパ | 〇 | セキュリティ | 〇 |
速度 | 〇 | バックアップ | 〇 |
無料SSL | 〇 | 管理パネル | ◎ |
機能面ではエックスサーバーを超えますが、ランニングコストはちょっと高くついてしまうレンタルサーバーです。
ワードプレスでマルチサイトをサブドメインで運用する場合など、機能面で優れていましたが、ただこれはちょっと特殊なケースでしょう。
10月からSSLが無料提供されるらしいです。
ロリポップ
コスパ | ◎ | セキュリティ | △ |
速度 | 〇 | バックアップ | 〇 |
無料SSL | ◎ | 管理パネル | 〇 |
コスパはいうことなしですが、過去にセキュリティの脆さをつかれ大規模なハッキング被害を起こしました。
最近は大丈夫のようですが、それ以来あまり信用できません(個人的に)。
お名前.com
コスパ | △ | セキュリティ | △ |
速度 | △ | バックアップ | ◎ |
無料SSL | 〇 | 管理パネル | 〇 |
お名前.comでドメインを取得した場合、その流れでついつい共用サーバーをレンタルしてしまう人が多くいます。
悪いサーバーではないと思いますが、上位の3サーバーと比べると特に良い点がないように思います。
レンタルサーバーのまとめ
いかがでしたでしょうか?
結論を申しますと、あなたのサイト規模とかけられる費用とレンタルサーバーに求めるの機能を考えましょうという話になります。この記事で紹介したレンタルサーバーでこれらをまとめますと、
- とりあえず最小&コスパ重視でWEBサイトを立ち上げたい→スターサーバー
- 現在のWEBサイトの表示速度や料金が不満でサーバー移行したい→スターサーバー・エックスサーバー
- とにかく表示速度の速いサーバーで大きいサイトを立ち上げたい→エックスサーバー
- ちょっと変わったことに挑戦したい→ヘテムルかVPS・クラウドサーバーを検討
といった具合かなと思います。
ちなみにヘテムルは、よそではあまり褒められているのを見たことがありませんが、数十万ページある特殊なシステムの情報サイトが動いたり、上記にも書いたワードプレスマルチサイトをサブドメイン・別ドメインで運用できたり、他ではなかなかできない面白いことができました。
実際複数サイト持つ場合、マルチサイトを別ドメイン管理できる=1つのワードプレスで数十のサイトを操作できるメリットは結構大きいと思います。多少重くなりますがね…。
ただそういう特殊な用途がなければ、最近はエックスサーバーorスターサーバーの二択で間違いないのではないでしょうか?
今後も進化していくので永遠にそうではないと思いますが、参考にしていただければ幸いです。
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